音楽教室では声楽を習いたいとお問い合わせくださる方がほとんどです。しかし声楽って何ですかと聞かれ困ってしまうことがたまにあります。声楽とは?そして声楽レッスンについて、できるだけ簡単に説明します。
声楽とは
声楽とは自らの声帯を楽器として演奏する音楽の分野です。(声楽に対し楽器を用いて演奏する音楽は器楽です。)さらに日本で声楽と言えば、音楽ジャンルでいうと、クラシック音楽の声を使う分野を指すことが多い。オペラだけではなく、歌曲やオラトリオ、合唱曲などにおよびます。
声楽レッスンはどんなことをするの?
声楽レッスンでは基本的に
正しい声楽の発声を身に着け、クラシック音楽の声を使う曲が歌えるようになる
ことを目指します。
声楽のレッスン内容(基本)
- 発声練習
音域が広く、マイクなどを使わずに歌う声楽は、
正しい発声を習得することがとても大切です。 - 練習曲を使った歌唱練習
練習曲を用いて、母音唱や階名唱で 声楽の発声で歌う練習をします。 - 声楽曲の練習および演奏
歌詞がついた曲の練習をします。始めは唱歌(日本語)などで声楽の発声で
歌うことに慣れてゆき、すこし慣れてきたらイタリア歌曲集などから
イタリア語の曲も練習します。
★声楽を基礎からしっかりと学びたい方、
★高校受験あるいは大学受験で声楽を専攻する方、
★宝塚音楽学校音楽学校の受験をする方などむき。
いろいろな声楽レッスン
声楽を専門的に勉強したい方、受験に必要な方以外にもレッスンにはいろいろな思いを持った方が来られます。
と、さまざま。でも皆さん歌うことが好きで、上手くなることに憧れています。
声楽のレッスン内容は受講される方によって組み替えますので、ご安心ください。
声楽の発声について
発声の不思議 ? ? ?
人間の声は、吸った息を吐くことで声帯を振動させて出します。ここで呼吸が大事ということは誰にでもわかります。そして呼吸が大事なのは器楽において管楽器も同じです。しかし声楽は自身の体の中にある声帯を振動させて演奏します。自身の体の外にある楽器を演奏する器楽のように自分の演奏を他の人(聴衆)と同じように聞きながら演奏することはできません。初めてご自分の話し声、歌声を録音などで聞いた時、「私の声ってこんな声なの?」と驚かれた人もいると思います。さらに他の人が歌っている声が、どのような状態で発声されているのかも、経験がなければわかりにくいでしょう。声楽のレッスンの難しいところです。初めから(あるいは一生懸命練習して)いい声を手に入れた先生が、「ここに息を回して」「あそこに響きを集めて」と自分の感覚で指導して、いい発声を手に入れることができる生徒もいるかもしれません。が、迷路に迷い込んでしまう人、声の調子を悪くしてしまう人もいるかもしれません。正しく指導しても、正しく受け取ってもらえるかどうか。感覚だけではうまく伝わらないことが多いのです。より正しくいい声を手に入れたい。そして伝えたい。
音声生理学について
幸いなことに 近年の科学の進歩で、人類の体の構造、声を出すメカニズムも随分解ってきました。その進歩は私が大学で学んだ音声生理学とは大違いです。
体の仕組みが解ったところで歌が上手くなるわけではありません。でも自分や生徒の発声に起こっている状態を把握し、理論的に理解できれば、問題点解決の糸口に、さらに良い発声への道しるべになります。もし良い状態で歌えた時 自身の中で何が起こり、どこがどの様になり、どう自分が感じたのかを理論的に理解できれば、良い状態で次もその次も歌うことができるかも。(なぜか出だしからいい発声で歌え、抑揚も感情移入も思いのまま。これが私の実力なんだと思いきや自分では二度と再現できないなんてことありませんか?)
体のメカニズムを知り、生徒にも理解でき、納得のできる指導ができるように。音声生理学を 良い発声への糸口に、そして道しるべにしたいと思います。